沿ドニエストル共和国のティラスポリ・歴史博物館 

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みなさん、こんにちは。今回の奇景スポットは沿ドニエストル共和国の首都、ティラスポリにある歴史博物館です。ここでは沿ドニエストル共和国の概要を知っている、という前提で話を進めていきます。沿ドニエストル共和国って何? という方はこちらをクリックしてください。

 

① 共産主義カラーが濃い、歴史博物館

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ティラスポリの歴史博物館はとにかく共産主義カラーが濃い、ここを強調したいと思います。まず、歴史博物館の前にはレーニンがいます。ロシアでもレーニンは見ますが、整備されていないせいか、くすんで見えます。しかし、ティラスポリのレーニンは立派。今にも歩きそうな感じです。

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そして、歴史博物館の横にある駐車場(?)の扉には赤星がありました。この赤星、妙にレトロでたまりません。このように、ティラスポリの歴史博物館を訪れたら、その周りもチェックしてくださいね。

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これだけ周辺がディープなのに、歴史博物館自体はいたって質素です。私も最初は通り過ぎてしまいました。

 

② まずは沿ドニエストル共和国の国旗、国章、地図にご注目 

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歴史博物館に入ったら沿ドニエストル共和国の国旗、国章、地図に注目してください。こちらは沿ドニエストル共和国の国章と国旗(左側)です。なお、右側にある旗はティラスポリ市の旗です。

 

見てください、この堂々とした☭。沿ドニエストル共和国では未だに☭が現役です。なお、沿ドニエストル共和国の国旗と国章はモルダビア・ソビエト社会主義共和国時代のものを修正して使っています。

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こちらは沿ドニエストル共和国の地図です。基本的にドニエストル川の右岸を領土にしていますが、沿ドニエストル共和国の第二都市、ベンデルだけ左岸にあります。

 

地図を見ると、沿ドニエストル共和国が全て実効支配しているように見えますが、一部だけモルドバ共和国が実効支配している地域があります。

 

③ 沿ドニエストル共和国建国以降の歴史に注目しよう 

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正直に書くとロシア帝国時代、第二次世界大戦の展示はロシアにある歴史博物館とそれほど変わりません。やはり、注目したいのは沿ドニエストル共和国建国以降の展示物です。沿ドニエストル共和国は1990年代、モルドバ共和国から独立しました。しかし、独立宣言と同時にモルドバと戦争状態になりました。

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沿ドニエストル共和国はロシアの助けを得て、モルドバに勝利。事実上の独立を勝ち取ったことになります。しかし、写真を見る限り、戦闘は思った以上に激しかったようです。マンションがボロボロになっていますね。

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それでも沿ドニエストル共和国の「勝利」に終わったので、戦没者を弔う「勝利の間」みたいな部屋がありました。ちなみに、モルドバにはこのような部屋はありませんでした。

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今度は沿ドニエストル共和国の大統領と外交を見ていきましょう。赤枠で囲った人物が初代大統領のイーゴリー・スミルノフです。この人物、実は生まれはカムチャッカ。後にティラスポリに移住しています。まあ、ソビエト連邦あるあるですね。

 

外交面では他の未承認国家との関係も強めています。左側にある白、赤、黄の旗は南オセチア共和国、下に見える手がある旗はアブハジア共和国の旗です。なお、南オセチアとアブハジアはロシアの国家承認を受けていますが、沿ドニエストル共和国はロシアの国家承認を受けていません。

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さて、中央の人物は2代目の大統領、エフゲニー・シェフチェクです。私が訪れた2015年のときは、彼が大統領でした。シェフチェクは選挙で現職のスミルノフに勝利して大統領に就任しました。

 

一般的に「未承認国家」は「独裁」というイメージがあるため、このときは全世界が驚きの目で選挙結果を見ていました。最近の研究では未承認国家の方が法的母国よりも民主的ではないか、と言われています。

ロシアと共に

ロシアと共に

とはいえ、ロシア無しにはやっていけない国です。「ロシアと共に」これが現実です。なお、歴史博物館のスタッフは沿ドニエストル共和国がロシアの一共和国になることを強く願っていました。

 

なお、この「奇景スポット」のコーナーでは独自の視点で「奇景スポット」を解説します。これからも書き続けるのでご期待くださいませ。

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