みなさん、こんにちは。今回はロシア料理店「スンガリー」を取り上げます。「スンガリー」もロシア料理店を語る上では欠かせない名店中の名店。私も何度か伺いました。なお「スンガリー」は新宿東口本店と新宿三丁目店がありますが、ここでは新宿東口本店を取り上げます。また新宿ゴールデン街にあるバー「ガルガンチュア」も取り上げます。
濃く伝統の香りがするレストラン
私がはじめて「スンガリー」を訪れたのは数年前だと思います。その時は「濃い」ロシア好きメンバーを集めての食事会でした。
「スンガリー」で感じたのは一般のロシア料理店ではないということ。なんというのでしょうか、雰囲気は格式ばってはいないが、軽くはない。濃く、伝統の香りがする名店だと思いました。
オープンは1957年のこと。ロシア、ハルビンへの郷愁、そして「革命から逃れたロシア人を助けたい」という動機から生まれた料理店です。最初のコックはハルビンから逃れたコサック出身のおばさん。ソ連はコサックに不信感を持っていたので、コックさんは祖国を離れたのです。
私が居住する関西にもロシア料理店はあり、すべて訪れました。が、「スンガリー」と似たような雰囲気を持つ店はない……。先ほど述べた歴史が作り出した「スンガリー」ならではの雰囲気なのでしょう。
席につき、あたりを見渡すとこざっぱりした服装でロシア料理を楽しんでいる紳士、淑女が多いことに気づきました。参加者の一人は娘さんが「スンガリー」をデートスポットとして利用しているとのこと。
どちらが誘っているかわかりませんが、いずれにせよ「スンガリー」を選択するセンスはすばらしいと思います。私もお相手と「スンガリー」でお食事ができれば……(遠目)。
「しっくり」が一番似合う「スンガリー」
私は食レポがそれほど得意ではないので、料理を具体的に細々と記述することはできません。それを前提に、「スンガリー」の味を一言で表現するなら「しっくり」だと思います。
もう少しかみ砕いて説明するなら、味のバランスがいい。どれを食べても、料理全体としてまとまり、食べ終える頃にはコース料理でなくてもコース料理を食べた感覚になります。これはロシア料理店だけでなく、他の料理店でもなかなか見られません。
ところで「スンガリー」はロシア料理だけでなくグルジア(ジョージア)料理も楽しめます。私はまだ「スンガリー」でグルジア料理を食べたことがないので、次回訪問時には試したいですね(グルジア料理は新宿三丁目店の方が充実しているとのこと)。
やってみたいコース「スンガリー」→「ガルガンチュア」
「スンガリー」から徒歩約10分(おそらく)、新宿ゴールデン街にバー「ガルガンチュア」があります。「ガルガンチュア」のママさんはロシア民謡の日本人歌手。ちなみに初代オーナーは作家の立花隆さんです。
狭い店内ですが、庶民的でいい味なんですよね。「ガルガンチュア」は2回訪れたことがあり、うち1回は日本人の友人とポーランド人の友人夫婦の計4人で訪れました。「ガルガンチュア」の不思議なところは初めて訪れたところにも関わらず、妙に懐かしさを感じること。
「懐かしさ」と言っても「レトロ」とは違い、「哀愁」なんですよね。関西にはないサントリーCMで有名な曲『夜が来る』がピッタリな感じです。
実は2回とも新宿駅からダイレクトに行ったので、「スンガリー」からの「ガルガンチュア」はまだないです。次回訪れる際は「スンガリー」「ガルガンチュア」コースを試したいんですよね。
関西で「新宿」と聞くと現代的な煌びやかな街を思い描いてしまいます。が、少し大人なロシアな「新宿」もすばらしい。実に厳しい状況ですが「スンガリー」と「ガルガンチュア」ともに応援したいと思います(もちろん私の好きなエスニック料理店すべて応援してますよ!)
※最後に写真を送って頂いた平田英二様と「スンガリー」様に御礼申し上げます。
スンガリー
ホームページ:http://www.sungari.jp
地図
ガルガンチュア 地図