モルドバのキシナウからウクライナのオデッサまで敢えて鉄道で行きました。「敢えて」と書いたのは鉄道の方がバスと比べて値段が高く早起きをしないといけないからです。
また、情報が少なく少々苦戦しました。今回はモルドバからウクライナへの鉄道の情報を中心に書きたいと思います。
キシナウ~オデッサ間の鉄道ガイド
2015年現在、キシナウからオデッサまでの列車は1日1本しかありません。キシナウ7時34分発オデッサ12時11分着です。料金は片道190レイ(約1,140円)です。
ただ、中央駅にも関わらずカードは使えませんのでご注意ください。切符購入の際にパスポートの提示を求められますが、単に見せればいいので大丈夫です。
大切なポイントは「号車指定」ということ。つまり「5号車に乗ってください。座席は自由です」ということです。
私は朝の6時40分にキシナウ駅に着き、切符を購入できました。心配な方は前日に切符を購入するとよいでしょう。
なお、パスポートコントロールですが、沿ドニエストル共和国では何もチェックがありませんでした。ウクライナでは入国審査が車内で行われますが、パスポートをジロジロ見られるだけで終わりですので心配はいりません。
最初は真っ暗、そしてバーに変身
切符を購入し早速車内に入りましたが、車内は真っ暗。非常灯しかついていません。みんな懐中電灯を片手に荷物の整理をしています。電気代をケチっているのか分かりませんが、せめて電気ぐらいはつけて欲しいものです。
発車20分前にようやく電気がつきました。同時に車端部にあるバーで準備が始まりました。どうもこの列車ではバーのサービスがあるようです。これには助かりました。早朝で全て店が閉まっていたので何も買えなかったからです。
7時34分、列車は定刻にキシナウ駅を発車。時速は50km/hぐらいでしたが、横揺れが少しひどいです。真向かいには50代くらいのロシア人男性が座っていました。
「モルドバはどうですか」と聞くと「モルドバは美しい国だ。夏に来るといい。冬はみんなこんな景色だ」と枯葉ばかりの木々を指さしながら喋っていました。
沿ドニエストルの話になると「ロシアが全て助けている。これも政治だ」と少しため息をつきながら話しました。
彼には6歳の息子がいますが、6歳の息子がいる割には、顔や手のしわが多いように感じました。「いろいろ苦労されたのだろうなあ」と思いながら、荒涼としたモルドバの風景を眺めていました。
駅での停車時間は長く、国境審査は厳しい
ティラスポリ駅に9時24分、定刻に到着。この列車は駅に着く度に10分から15分くらい停車します。本当は外に出て食料を買いたいのですが、いつ発車するか分からないので列車で待っていました。
「沿ドニエストルの国境審査が始まるのか」とドキドキして待っていましたが、何も起こりませんでした。少し拍子抜けという感じですね。
9時44分、ウクライナ最初の駅に停車。ここでウクライナの入国審査。最初はおばちゃんが入ってきてロシア語で荷物に関して質問されました。
私は多少なりともロシア語が話せるので問題ありませんが、話せない旅行者だとどうなるのでしょうか。続いて2人組の男性警官によるパスポートコントロールが始まりました。
一対一で質問がなされ、その返答やデータをパソコンに打ち込んでいきます。左隣のモルドバ国籍のロシア人女性は質問攻めにあっていました。部下が彼女のパスポートに不備がないか上司に聞く場面も。
こちらも自然と緊張してきます、「何を聞かれるのだろうと」と緊張しましたが、パスポートを懐中電灯を使ってジロジロ見られただけで何も問題はありませんでした。慣れているとは言え、ホッとしました。
12時11分、定刻にオデッサ駅に到着。いよいよ最後の国、ウクライナです。
オデッサ~キシナウ間の列車は気動車に
2018年に確認した情報ですが、オデッサ~キシナウ間の列車は新型の気動車に変わっています。なお、この列車は平日運休なのでご注意ください。
(11月21日)