帰国して、ようやく1ヶ月が経ちました。少し、旅行を客観的に見られるようになった気がします。そこで、定期的にエッセイ感覚で旅行から学んだこと、考えたこと、感じたことを深堀りする形で書きたいと思います。もしかしたら、別の媒体でここで発表した記事と似たテーマを載せるかもしれません。しかし、時の流れが経つに連れ、考えが変わるのが人間。様々な考えが生まれて、それはそれで良いと思います。
さて、今回はリーマンショックでもプラス成長を達成したポーランドを取り上げたいと思います。
①成長を本当の意味で実感した2015年
今までポーランドは2011年冬、2011年夏、2014年夏に行き、今回が4度目でした。今まではポーランドが経済成長をしている、と聞いても実感として感じることができませんでした。しかし、今回の2015年の訪問では2日目から国としての成長を肌身で感じました。
まず、驚いたのが2015年に開通した地下鉄の新線。もちろん設備として綺麗なのはもちろんですが、駅の壁紙が現代アートのように美しく装飾されていることに驚きました。今までのポーランドですと、おそらく「はい、壁を綺麗に一色に塗りました。はい終わり」だったと思います。それが、北欧と似たセンスの良さを持つ壁紙。「社会として、美術に関心が払えるほど、ゆとりが出てきたのかな」と思いました。また、改札も未来的で機能美に溢れているのです。今までのポーランドでは見られなかった一面でした。
それは、高速列車「ペンドリーノ」でも実感しました。もちろん、新車ですからピカピカなのは当たり前です。綺麗+停車時に流れるショパンの音色に驚かされました。私のイメージの中で、センスの良い西側資本主義国は「視覚」で社会の成熟を訴えてきたと思うのです。しかし、ポーランドは、それを「聴覚」で表現しようと(自然と表現されるのかもしれませんが)しているのかな、そのように感じました。
おそらく、社会の成熟を「聴覚」で表現した国はないはず。どうなるか、少し楽しみです。
② 成長の原動力は何か
成長の原動力は何でしょうか。それは「人」だと思います。特に若い世代の成長だと思うのです。ポーランドの若い人は本当に優秀な方が多いような気がします。一本筋が通っていて、なおかつ議論を楽しむことができる。言うなればバランスが良いと言えるでしょう。バランスが良ければ、理論と実践の両立も可能だと思います。
実際、若い人々の成長がどのように社会の成長に反映されるか、数値化するのは難しいでしょう。確かに、外で勉強したり働いているポーランド人も多いです。しかし、外にいる彼ら、彼女らがポーランドに帰ってきて新たな刺激を本国に与えているような気がします。
③ それでも、ポーランドの培った良さは残るような気がする
ポーランド人の良さは人の繋がりを大事にする心と個人主義とのバランスがいいこと。ハッキリと意見を言う一方、「一期一会」を大切にする人々だと思います。例えば、ホステルでも単に挨拶で終わらすだけでなく、ちょっとした話を初対面でも積極的にしてくれます。そして、初対面であっても議論をするのが本当に好きな人々です。
そして、友人の話からも家族や友達を大切にする精神が感じられます。これは、どの時代になっても生き残るでしょう。いや、生き残って欲しいものです。