「需要度外視」のディープな記事が多いのもTabi-PROGの特徴ですが、今回も冷戦期のBCLに焦点を当てます。「BCL?何?」という方は前回の記事をご覧ください。それでは、ポーランドから始めましょう。
①ラジオ・ワルシャワ
冷戦期、社会主義圏の国際放送局は全て、国名ではなく首都名が使われました。例えば、中国ですと「北京放送」といった具合ですね。東欧でも同様に国名は使われていません。ポーランドも「Radio Warsaw」という局名でした。
さて、ラジオ・ワルシャワのインターバルシグナル(識別信号)に注目してみましょう。このムービーには、国際放送であるラジオ・ワルシャワ以外の地方都市の放送局のインターバルシグナルも含まれています。ぜひ、全て聞いてみましょう。
BCLファンですと、ショパン「革命」を使ったインターバルシグナル(1分52秒)に涙する方も多いのではないでしょうか。
個人的にはバルト海に面するシュチェチンの汽笛を使ったインターバルシグナル(1分45秒)がおもしろいですね。どれも、ポーランドらしさ+レトロの組み合わせがたまりません。
②ラジオ・プラハ
次はチェコスロバキアの国際放送局、ラジオ・プラハです。まずは、ラジオ・プラハのインターバルシグナルをお聞きください。
とても勇ましい曲ですね。クラシック音楽ファンだと「あれっ、こんなメロディーの曲あったかな?」と思うでしょう。実はこの曲は共産主義時代に作られた労働歌に由来します。もちろん、現在のラジオ・プラハは新しいインターバルシグナルを採用しています。
さて、チェコに興味のある方でしたら、小説『プラハの春』はお読みになったことでしょう。この小説には頻繁にラジオ・プラハでの出来事が書かれています。なんと、Youtubeにはソ連軍がチェコスロバキアに侵攻した際の、ラジオ放送が公開されています。
「こちら占領されたチェコスロバキアの合法的な放送局です」という表現からその時の緊迫感が伝わってきますね。
③ラジオ・ベルリン
最後に紹介するのはドイツ民主共和国(東ドイツ)のインターバルシグナルです。この曲は、おなじみですね。東ドイツの国歌を引用しています。また、インターバルシグナルの後に流れる東ドイツ国歌がたまりません。