みなさん、こんにちは。今はベラルーシを除き、中欧・東欧ではビザなしで旅行できます。しかし、社会主義圏「東欧圏」の時代は多くの国でビザが必要でした。今回は『1989年~1990年版 地球の歩き方 東ヨーロッパ』を使って、東欧のビザ事情を探求します。
ビザは2種類(通過ビザ・観光ビザ)
基本的に2つのビザが存在しました。通過ビザと観光ビザです。ここではビザ別に解説しましょう。
通過ビザ:国によって異なるが、24時間~48時間有効。時間内に国を出国しなければならない。なお、国によっては通り抜けないといけない場合もあった
観光ビザ:発給後2~5か月以内に、入国後30日~90日の滞在が認められる。いわゆる自由旅行のビザ
国によって大きく異なったビザ制度
当時は国により、ビザ制度が大きく異なりました。国別に書き出してみましょう。なお情報は1980年代末です。
ポーランド
ビザを持っていなければ入国できない。
通過ビザは48時間以内。
通過先の国のビザを持っていれば国境でビザが発給される場合もある。
チェコスロバキア
ビザを持っていれば絶対に入国できない
東欧圏では入国管理が一番厳しい国だった
ハンガリー
飛行機で入国の場合はその場でビザが発給される
鉄道で入国する場合はあらかじめビザが必要
ルーマニア
通過ビザ、観光ビザは国境で取得できる
ユーゴスラビア
3か月以内の滞在であればビザは不要
ブルガリア
ビザを持っていなければ入国できない
東ドイツ
通過ビザ、観光ビザは国境で取得できる
通過には通過先の国のビザが必要
観光にはバウチャーが必要
東ベルリンへは特別ビザが必要
こうして見ると、チェコスロバキアが厳しいというのが意外ですね。最も緩いのがユーゴスラビア。これは納得できるでしょう。なお、アルバニアは原則として入国はできませんでした。
ビザは基本的に大使館で取得する
ビザは基本的に大使館で取得しなければなりません。『地球の歩き方』には各国の大使館のクセまで書いてあります。例えば、こんな具合。
東ドイツ:「通過ビザは国境でどうぞ」と言われる
ポーランド:わりと親切
チェコスロバキア:冷たそうなおばさんがいる
ハンガリー:都会的な対応
チェコスロバキアの「冷たそうなおばさん」がすごく気になりますね。ところで『地球の歩き方」には気になる文章があります。
日本からはパスポートと写真だけをもっていき、現地で気の向いた行き先国のビザを取る・・・なんてなれば、ホンモノの東欧通だ!この記事を読んでいる方で、どの程度「東欧通」がいるのでしょうか。ものすごく気になります。