今回はチェコ第二の都市、ブルノを紹介します。ブルノはプラハ、ウィーンからアクセスしやすいのが大きな長所です。また、賑やかでありながら、人混みしないところもおすすめですね。それでは、ブルノを見てみましょう。
ブルノへのアクセス
ブルノへは鉄道が便利です。ブルノはプラハとウィーンを結ぶ幹線にあるため、スムーズにアクセスできます。
プラハやウィーンはもちろん、スロバキアやハンガリーからも乗り換え不要です。 ブルノには全ての列車が止まります。各所要時間は以下のとおりです。
プラハ~ブルノ:約2時間30分
ウィーン~ブルノ:約1時間30分
ブラチスラバ~ブルノ:約1時間30分
ブダペスト~ブルノ:約4時間15分
なお、所要時間は駅からです、ご注意ください。
また、ブルノのバスターミナルからはオロモウツ、テルチなど人気スポットに直行するバスが出ています。ブルノを拠点としてチェコ・モラビア観光をするのもいいでしょう。
ウィーンとよく似たスタイル、ブルノ
まずばブルノ市内の地図を確認しましょう。右下の道路にグルッと囲まれているのがブルノの中心地です。
どことなく、チェコを支配していたハプスブルク帝国の首都、ウィーンの中心地の地図に似ていませんか? ウィーンは「リンク」と呼ばれる大きな道路が街を囲んでいます。
ブルノがこのような形になったのは19世紀後半~20世紀前半のことです。ウィーンに「リンク」が作られたのもこの時期です。このように歴史を紐解くと、ウィーンとブルノが兄弟のように思えてきますね。
また、ブルノにはウィーンで活躍した建築家が設計した建物が多いです。そのため、街の印象もウィーンに似ています。
そんなブルノで立ち寄って欲しいスポットが青果市場(キャベツ市場)です。ここでは基本的に毎日、14時まで市場が開かれています。
市場では新鮮な野菜や果物を中心に売られています。私は2年前にここでリンゴを買いました。とても新鮮でおいしかったのを覚えています。なお、店によっては量り売りしてくれます。
キャベツ市場には劇場があります。この劇場は中央ヨーロッパで最も古い劇場です。
路面電車沿いに歩くと、高い塔が目に入ります。これは旧市庁舎です。16世紀に建てられ、1935年まで現役で使われていました。
ところで、旧市庁舎の装飾を見ると、変なところに気づくと思います。そうです、装飾が妙に曲がっているのです。これを造ったのは建築家アントン・ピルグラムです。
ピルグラムはブルノ側が十分な報酬を支払ってくれなかったことに激怒! 怒ったので、このような変な(?)装飾になったのです。このあと、ピルクラムはウィーンで大活躍することになります。
ところで、ブルノは「強い」都市でもあります。17世紀、チェコはカトリック勢力とプロテスタント勢力の大戦争「三十年戦争」に巻き込まれました。
この時、スウェーデン軍がチェコに攻め入ったのです。しかし、ブルノだけがスウェーデン軍の侵攻を食い止めました。
この出来事をモチーフとした天文時計(モニュメント)が自由広場にあります。このモニュメントがお披露目されたのは2010年のこと。いかにブルノ市民がスウェーデン軍に勝利した出来事を誇りに思っているのか、よくわかりますね。
ブルノの奇景スポット 聖ヤコブ教会の地下納骨堂
ブルノを代表する教会が聖ヤコブ教会です。この教会は13世紀に創建された教会で、現在の姿になったのは16世紀後半です。建築様式はゴシックスタイル。尖塔の高さは92mにもなります。
これだけ見ると、ヨーロッパでよくあるゴシック教会です。聖ヤコブ教会のもうひとつの目玉が地下納骨堂です。
聖ヤコブ教会の地下にはおびただしい数の遺体が埋められました。2000年に行われた道路工事で偶然発見され、その時に確認できた骨は約5万人分です。
おそるおそる地下に入ってみました。確かに、たくさんの人骨が目に入りますが「おどろおどろしい」雰囲気は感じられませんでした。むしろ、現代アートが置かれているせいか、ポップな雰囲気が感じられます。
こちらは骨はクリーニングしてありますが、基本的に発見された時の姿で展示しています。きっと、発見した工事関係者は驚いたでしょうね。
なお、ブルノには地下をテーマにした博物館、青果市場の地下迷路があります。ユニークなスポットなので、時間に余裕のある方は訪れてみてください。
ブルノを一望できるシュピルベルク城
今回のプレスツアーでは訪れませんでしたが、ブルノで個人的に気に入っているのがシュピルベルク城です。そのため、簡単にシュピルベルク城を紹介します。
この城は旧市街の西側、丘の上に建つ大きな城です。建てられたのは13世紀です。17世紀からは刑務所として利用されました。
ここに収監された人には19世紀に活躍した革命家も含まれています。城内ではこのように人形を使って刑務所時代の雰囲気を伝えています。
また、城内では時期にもよりますが、様々な展示が行われています。私が訪れた時はビールの紹介をしていました。事前にシュピルベルク城のホームページをチェックされるのもいいでしょう。
城からはブルノ市全体が見渡せます。ブルノはコンパクトにまとまった都市です。日帰りでも十分楽しめるので、ブルノに立ち寄ってみましょう。
鉄道好きはブルノ駅で降りるべし
ところで、鉄道好きな方はブルノ駅で降りることを強くおすすめします。先ほども書いた通り、ブルノには国際列車を中心に様々な列車が止まります。
そして、ブルノ駅は微妙にカーブしているのです。そのため、直線の駅とは違った鉄道写真が撮影できます。
追記
なお、2018年はチェコスロバキアの建国から100年にあたる記念年になります。そのため、ブルノでも独立100年に関するさまざまなイベントが行われます。詳しくはチェコ観光局のホームページをご覧ください。
ブルノの位置
※なお、この旅行はチェコ共和国政府観光局主催のプレスツアーです。チェコ共和国政府観光局からは宿泊費、移動費、食費等のご支援を頂きました。