ハンガリーとセルビアとの国境にフェンスの壁ができているため、直通列車があるか不安でした。道路は分かりませんが、列車は通常通りに運行しており安心しました。ブダペストから8時間でセルビアの首都ベオグラードに着きます。
特急というより急行
10時過ぎ、ブダペスト東駅の端12番線からベオグラード行きの列車は発車しました。ベオグラード行きは前の2両、後の青い客車はハンガリーの国境駅で切り離しとなります。
さすがに、8時間もかかるので今回は1等車を利用しましたが、1等車といってもスロバキアの1等車と変わりません。スロバキアは電気プラグがありましたが、セルビアの客車にはありませんでした。
列車は気持ちよくハンガリーの平原を快走します。ハンガリーの鉄道で気づいたのは駅がとても質素であること。小さな駅舎でプラットホームはなく、土がもろに露出しているような形です。
ちょうど、クロアチアの田舎駅と同じスタイル。もしかすると、ベオグラードに向かう線は幹線ではないのかもしれませんね。
難民の跡、色濃く
すいません。本当に一瞬だったのでうまく撮れませんでした。壁です
13時30分を過ぎたあたりでハンガリー側の最終駅を発車。私はじっと窓を見つめ、「フェンスの壁」をチェックすることに。汽笛が鳴り、高さ5mほどの「フェンスの壁」を通り過ぎました。
ハンガリー側には警察の車両が止まっていました。理由はともあれ、せっかく冷戦の崩壊により壁が除去されたにも関わらず、再び壁が築かれることは本当に複雑です。本当にこれでいいのでしょうか。
セルビア側に入ると一気に列車のスピードが遅くなり、横に揺れるようになりました。おそらく路線の状況が悪いのでしょう。そして、注目したのは線路脇にあった大量のゴミ。
工業製品ではなく日用品が落ちていました。おそらく難民が残したものでしょう。まだ、難民の苦難は解決されていないことがよくわかります。
文字が変わりベオグラードへ
セルビアに入ると、ロシア語と同じキリール文字とローマ字で駅名版が見られます。それを見ると「東欧に入ったな」と感じました。
私はロシア語を勉強しているのでキリール文字を読むことに関しては苦労しません。初めての旅行者は苦労するだろうなあ、と車窓を見ながら考えました。
16時30頃にセルビア第二の都市ノヴィ・サドを過ぎると一気に速くなりました。18時02分、ほぼ定刻通りベオグラードに到着。いよいよ東欧です。
(10月21日)