いよいよ、この旅も終わりの時を迎えました。3ヶ月、思ったよりも長かったです。帰国の模様と帰途に着く飛行機の中で考えたことを書きたいと思います。
旅の最後は国際情勢に影響されて
本来ですと12月6日にアエロフロート航空でウクライナのキエフからモスクワ経由で帰る予定でした。ところが、ウクライナ、ロシア両政府による制裁合戦により、ウクライナ~ロシア間の飛行機が全て運休に。
アエロフロートに電話すると「ベラルーシのミンスクかモルドバのキシナウに変更して下さい」とのこと。仕方なく、前日の12月5日にモルドバ航空でキエフからキシナウで飛行機で飛び、当地で1泊することになりました。
今回の変更は特例によりキャンセル料はかかりませんでした。いろいろなルートを検討しましたが、一番安全で確実なキエフ~キシナウ~モスクワ~東京ルートを選択。どうしようもありませんでした。
でもよく考えれば、平和であるからこそ旅行ができるのです。まだ、平和に帰国できるだけマシだと思います。この事に感謝しなければなりませんね。
緊張と拍手
翌12月6日、11:45分、モルドバのキシナウからモスクワ行きに乗りました。当然、ウクライナルートは通行できないので、ベラルーシルートに迂回。機内は何とも言えない緊張感に包まれていました。無理もありません、昨今の国際情勢、
そして、ウクライナ上空で起きた不幸な出来事を考えると。モスクワ時間で15:50分頃、無事にモスクワに到着。機内では全員、ものすごい拍手が起こりました。今まで飛行機に乗ってあれだけの拍手は経験したことはないです。
東京行きの機内の中で
いよいよ、20時発、東京(成田空港)行きが離陸。この時に初めて「帰国」を実感しました。機内で今回の旅の思い出が蘇りました。
まず、考えたのは今回の旅を支えてくれた友人、ホステルのスタッフ、そして街で出会った人々への感謝でした。次に、「旅の新しい可能性を見出したか」ということを考えました。
私自身、旅の新しい可能性を見出せたと思います。それは抽象的な表現すれば「橋渡し」。日本の方は私のブログを通じて、多少なりとも中欧、東欧への関心、理解が深まったと思います。そして、なかなか接触することのない旧ユーゴ各民族の「橋渡し」。
例えば、セルビア人の思いをクロアチア人に「私」というクッションを通じて伝える。そして、客観的な立場を利用して自分の思いを伝える。少しでも私が発した言葉を通じて、現地の方が考えるきっかけを掴んでくれたらこれほど嬉しいことはありません。
旅人は人々が持つ心の国境の壁に小さな穴を開けることができるのです。小さな一歩ですが、それが大切だと思います。
(12月5日~7日)