ルーマニア観光では1番目か2番目に有名なブラショヴに着きました。ブラショヴはルーマニアのほぼ真ん中に位置する都市です。この街もドイツ系のトランシルバニア・ザクセン人によって街が作られました。
そのため、ブラショヴは「クローンシュタット」というドイツ風の別名を持ちます。そんなブラショヴをこの足で歩いてみました。
沿線の印象とは大違いのブラショヴの中心地
シビウから普通列車でブラショヴに入りました。ブラショヴに近づくと大きな工場や社会主義風の団地が目に入りました。
ハンガリーの友人が「ブラショヴはとても美しい街だからオススメ」と教えてくれましたが、「本当にそうなのか」と首を傾げたくなる風景です。
そう思いながら、列車はブラショヴ駅に到着。ルーマニアで見られる典型的な薄暗い社会主義然としたターミナルです。ここから、4系統のバスで中心地へと向かいます。チケットはバスのインフォメーションセンターで買ってください。
中心地近くの停留所で下車し、あまり期待をせず旧市街方面へと歩きました。すると、いきなり雰囲気がガラッと変わったのです。
まるで、ハイデルベルクを彷彿させるドイツ風のアーケードが一直線に並んでいます。「なるほど、これなら美しい街と表現しても大丈夫だ」と納得しながら歩きました。
複雑な地形の中に存在するブラショヴ
翌日、ルーマニア美術が楽しめる美術館に寄りました。残念ながら写真撮影をすると、高額の料金を取られるので撮影できませんでした。
全体的に「素朴」な絵が多いです。現代の絵に関しても、どこか「素朴」さが残っているのです。これが中欧とは異なるのでしょう。
次に、ブラショヴの背後にある山、トゥンパ山に登ります。「登る」と言ってもロープフェーを利用。本当に物価が安いので手軽に利用できます。山からブラショヴの街並みを眺めると、複雑に山に囲まれながら存在していることが分かります。
「盆地」のようで「盆地」ではないのです。また、山と言っても上から見ると丘と山の中間のような感じなのです。ただ、冬は寒そうな街だなと思いながら眺めていました。
③ 昔はブラショヴ旧市街に入れなかったルーマニアの人々
山から降りて、ルーマニア正教会、統一広場へと向かいました。ルーマニア正教会(聖ニコラエ教会)は思ったよりも立派な教会。この日は日曜日だったせいか、多くの方々が教会を訪れていました。
中に入ると外の空気とは異なりムッとした熱気を感じます。赤絨毯に豪華なイコノスタス。写真撮影厳禁なので、この雰囲気をダイレクトに伝えられないのが残念です。
この教会の横には1760年に建てられた最古のルーマニアの学校があります。現在は「学校博物館」となっています。中に入ると、昔の日本の学校と似たような木の机と椅子が並んでいますが、机にインクを入れるための溝がある点が違います。
そして、長机、長椅子という点も異なります。昔の教科書を見ると、ものすごく細かな文字が書かれていました。教科書の紹介では、ルーマニア語で書かれた本、というような形で「ルーマニア語」を強調している点が印象的でしたね。
実は、ルーマニア人は長年、旧市街には入れなかったのです。その境目となったのがスケイ門。もちろん、現在は自由に行き来ができます。それにしても、当時のルーマニア人はどう考えていたのでしょうか。指を加えながら悔しい思いでいたのでしょうか。
それとも割り切って考えていたのでしょうか。初めて、旧市街に足を踏み入れた時、どのように感じていたのでしょうか。いろいろ想像すると興味が尽きません。
(11月14日・15日)
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