こんにちは、今回は久しぶりに鉄道の話題を書きます。2016年も末になりましたが、ロシアから大きなニュースが飛び込んできました。
スペインのタルゴ社製の新車を使った、モスクワ~ベルリンの直通特急がスタートしたのです。今回はこのニュースを中心に書きたいと思います。
①モスクワ~ベルリン間が5時間近くも短縮
2016年12月17日、タルゴ社製の車両を使ったモスクワ~ベルリン間の直通特急がスタートしました。この特急列車の列車番号はNO13/14となり、モスクワ・クルスク駅を出発します。
列車はベルリンに向かって進むわけですが、ロシアとヨーロッパ(ポーランド以西)の鉄道は決定的に違うことが一つあります。そうです、レールの幅が異なるのです。ヨーロッパは1435mmに対し、ロシアやベラルーシは1520mmです。
そのため、以前は列車を止めて、いちいち台車を交換していました。これが、とんでもない時間のロスになっていたのです。今回登場した新車は自動的に車輪の幅が変えられるというスグレモノ。そのため、台車交換の時間を省くことに成功しました。
その結果、モスクワ~ベルリン間は5時間近くの短縮になり、20時間14分で結ばれました。
ロシアの運輸大臣、マクシム・ソコロフ氏はこのように述べています。
今、(モスクワから)ベルリンへの旅は20時間少しで結ばれ、以前と比べて5時間の短縮になった。私はロシア国鉄と利用者に賛辞を贈りたい。そして、ロシアと海外の技術者や関係者に感謝を申し上げる。
ロシアにとっては、「線路幅の違い」がヨーロッパとの輸送においてネックになっていましたが、これでようやく解消されたことになります。もしかすると、サハリンから北海道への直通列車はタルゴ社製を使うのでしょうか。なお、乗車レポはこちらになります。
②欧州投資銀行、モルドバ鉄道に初の貸出
次は旧ソ連のモルドバの鉄道の話題を書きましょう。9月26日、欧州投資銀行はモルドバ鉄道に対して5千万ユーロを貸し出すことで合意しました。計画では鉄道施設の更新、11両の電気機関車の導入に使われます。
モルドバ鉄道は鉄道を近代化することで、バスを始めとする他の輸送手段に対する競争力強化を狙っています。隣国のルーマニアも80億ユーロをつぎ込んで、鉄道の近代化に乗り出しています。東欧でも、バスにボロ負けだった鉄道がようやく狼煙を上げた感じですね。
ところで、モルドバで計画されているマルクレシュティ(Marculesti)~ソロカ(Soroca)間55キロはいつ開業するのでしょうか?今回は、ロシア、モルドバの鉄道情報を書きました。機会があれば、ロシア~ベラルーシ陸上国境通過に関する記事を執筆します。
アイキャッチ画像はArtem Svetlov氏の作品